梨をむく音が、去年と同じ
梨に包丁を入れたら、しゃり、と手の中で音がした。食べる前から、もうおいしそうな音だった。
続きを読む →なんでもない日を、少しだけ大切に。
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梨に包丁を入れたら、しゃり、と手の中で音がした。食べる前から、もうおいしそうな音だった。
続きを読む →梅のへたを取る作業は、思いのほか静かだった。竹串の先で小さな丸いものを起こして、布巾に並べていく。ときどき、うまく取れたものを光に透かした。
続きを読む →新じゃがを洗っていると、薄い皮が指先で少しずつむけた。全部きれいにしようとしたけれど、途中で、これくらいでいいかと思った。
続きを読む →冷蔵庫の奥に、使いかけのにんじんがあった。切り口が少し乾いている。玉ねぎも半分残っていたので、日曜日の午後はスープを作ることにした。
続きを読む →パンを焼く網から目を離したのは、ほんの少しだった。窓の結露を拭いて振り返ると、端のほうがもう黒くなっていた。
続きを読む →八百屋の店先で、栗が紙袋に入っていた。袋を持ち上げると、思っていたより重い。これだけあれば、と考えて、何がこれだけなのか決めないまま買って帰った。
続きを読む →冷蔵庫を開けると、朝のうちに冷やしておいたトマトがあった。外から帰ってきたばかりの手に、その丸い冷たさが気持ちよかった。
続きを読む →いちごを洗うときだけ使っている、小さなざるがある。本当は何に使ってもいいのだけれど、大きさがちょうどよくて、いつのまにかいちごの係になった。
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