瓶の底で、梅が少しずつ沈む
梅のへたを取る作業は、思いのほか静かだった。竹串の先で小さな丸いものを起こして、布巾に並べていく。ときどき、うまく取れたものを光に透かした。
氷砂糖と交互に瓶へ入れる。最初は、隙間だらけで頼りない。これがおいしい飲み物になると言われても、まだ少し疑ってしまうような姿だった。
三日ほどして、底に透明な液がたまった。朝、瓶をゆっくり傾けて、また元の場所へ戻す。何も起きていないようでいて、昨日とは少し違っている。
飲めるようになるのは、もう少し先らしい。台所へ行くたびに瓶を見ている。冷蔵庫を開けに来たのだった、と、あとから思い出す。