少し焦げたトーストと、はちみつ
パンを焼く網から目を離したのは、ほんの少しだった。窓の結露を拭いて振り返ると、端のほうがもう黒くなっていた。
焦げたところを包丁の背で削る。流しに、小さな黒い粉が落ちた。残ったきつね色のところにバターをのせると、まだちゃんと溶けた。
はちみつの瓶は、蓋が少し固かった。両手で開けて、細くたらす。厚く切ったパンの穴へ、ゆっくり吸い込まれていく。ひと口かじると、焦げた匂いも少しだけ残っていた。
皿の横にりんごを二切れ。整った朝ごはんではないけれど、食べ終わるころには指先が温まっていた。次は窓を、パンが焼けてから拭こうと思う。