鍋のふたが、小さく鳴る日曜日
冷蔵庫の奥に、使いかけのにんじんがあった。切り口が少し乾いている。玉ねぎも半分残っていたので、日曜日の午後はスープを作ることにした。
野菜を炒めるうちに、台所が甘い匂いになった。水を加えて、ふたをする。しばらくすると、ふちのあたりが小さく鳴り始めた。火を弱めて、散らかっていたテーブルを片づけた。
買ったまま読んでいない本と、郵便物と、拾った葉を挟んだノート。置き場所を変えただけのものも多いけれど、鍋を置く場所はできた。
できあがりを味見すると、塩が少し足りなかった。ひとつまみ加えて、もう一度。食べるころには窓が白く曇っていた。明日のぶんは、鍋の底を厚めに残しておく。